申請期間は「3月下旬から」となっており、まだ始まっていないにもかかわらず、多くのお問合せをいただいている2023年の大型補助金事業「先進的窓リノベ事業」。価格高騰が進む中で、お客様の費用負担を少しでも和らげる施策になればと考え、弊社では積極的に活用をオススメしています。※登録業者が申請から報告手続きを行いますので、お客様は何も手間がかかりません。
そこで今回は、先進的窓リノベ事業の中心となる「窓」をテーマにした事業者向けセミナーをリクシルが主催するとの事で、早速参加してきました。
※セミナー内容をそのまま開示できませんので、本記事では補助事業とリクシルの窓関連商品について学んだことを説明していきます。個人的見解を含みますので、詳細情報は公式HPなどでご覧ください。
先進的窓リノベ事業とは。
先進的窓リノベ事業は、省エネ性能の高い窓(ガラス含む)を設置または取替をすると、最大200万円もの補助金が出るというものです。
「経済産業省」と「環境省」が管轄した国の事業で、目的は以下の3つとなります。
①エネルギー価格高騰への対応(冷暖房費負担の軽減)
②2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(2013年度比)への貢献
③2050年ストック平均でZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保
「窓」を新設・取り替えた場合の効果について。
先進的窓リノベ事業でいう〝省エネ性能の高い窓〟とは、主には〝断熱性の高い窓〟のことを指し、これを設置するとEV車よりもCO2の削減効果が高くなるという話でした。※EV車が悪いという意味ではありません。語弊のないように記載しておきます
根本となりますが、部屋が暑くなったり、寒くなったりする理由は「熱の移動が、窓(開口部)が原因になる」ということです。〝省エネ性の高い窓〟というのは、このどちらも改善できるようになっており、事業の目的を達成するために、国が補助金を出すということになります。
電気代を下げる
事業目的の「冷暖房費負担の軽減」は、今まさに話題の一つである「電気代の高騰」に対応するものです。今や電気は必要不可欠のものであり、寒い時期も暑い時期もエアコンやヒーターなどを使わない訳にはいきません。そんな中ですが、東京電力の発表では、2023年6月に電気代をさらに平均29.31%値上げする方向性となっています。※東京電力が悪いという意味ではありません。語弊のないように記載しておきます
電気代は、毎月かかる「ランニングコスト」とですので、年間を通せば大きな負担となります。省エネ性能の高い窓を新設・取替を行うことで、電気代の負担が少しでも軽減することになれば、この〝少し〟が大きな差になっていくと予測されています。
ヒートショック対策
ヒートショックもニュースなどで取り上げられることが多いので、ご存じの方も多いと思います。急激な温度変化で血圧が上下に変動し、脳卒中や心筋梗塞の要因になりうるものです。
ヒートショックが起こりやすいのは、浴室や脱衣室、寝室(寝具内との差が大きいため)といわれ、中でも入浴中の死亡事故は年間約19,000人と、交通事故(年間4,400人)より4倍も多くなる統計がでています。
これについても、寒暖差を軽減する「窓」でリスクを減らすことができるそうです。
熱中症やアレルギー関連の健康改善にも効果アリ
また、体温調節機能が十分に発達していない子ども(0-5歳)や温度に対する感覚が弱いお年寄り(65歳以上)で、「室内熱中症」にかかり救急搬送される人が年間約27,500人いるとの事。身体から熱を適度に放出できない方にとっては、冷房(エアコン)の存在は必須です。身体を冷やしやすい環境づくりができるという意味で、省エネ性能の高い窓が大きな意味を成すそうです。
また、のどの痛みや気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などにも「断熱」により軽減効果をもたらすとの話でした。
リクシルの窓(関連)商品について。
さて、具体的に何をすれば補助金が活用できるのかというと、先進的窓リノベ事業では「ガラス交換」「内窓交換」「外窓交換(カバー工法)」「外窓交換(はつり工法)」の4つの工法で、省エネ性能の高い窓を新設・取替をすると、補助金をもらえることになります。
この記事では、窓の新設・取替に対して、補助額が良い「内窓交換」と「外窓交換」におけるリクシル商品をお伝えしていきます。
【内窓】インプラス
リクシル窓リフォームの代名詞となる「インプラス」は、名前の由来とおり、今ある窓の〝内側(イン)〟に1つ窓を〝プラス〟で設置するものです。
現場の状況によりますが、施工時間は1窓あたり約60分とされており、壁や窓を壊さずに取り付けられるので、施工費用も大きくはかからないのがメリットです。その効果は、断熱・結露軽減・遮音・UVカット・侵入防止・経済性と多岐にわたります。
インプラスは「静電気がおきない」という特徴もあり、これによりホコリがつかないことも、掃除の楽さや清潔性の観点からメリットとなりそうです。
一方のデメリットとしては、窓が2段階となるので2回開閉が必要になるので、少し手間が増えることでしょうか。
【カバー工法】リプラス
リプラスは、壁を壊すことはせず、今のサッシ枠・窓枠の上から新しい枠を取り付ける〝カバー工法〟の商品です。
こちらも断熱・結露軽減・気密性・デザイン性といった効果があり、1窓あたり約半日で工事が完了するスピード施工となります。
今ある枠を利用するので、インプラスのように2回開閉することはなく、これまで通りの使い方となりますが、枠を被せる分、光が入る部分が少し狭くなるのがデメリットとなります。
補助額は「性能」によって変わります。
読者の皆さまには一番重要といえる「補助額」ですが、この金額を決めるのは、窓の「面積」と「性能」です。
面積はいうまでもなく、窓のサイズになりますが、「性能」というのは、上記で紹介した商品の中で、さらに「ガラス」と「ガス」を決める必要があります。
先進的窓リノベ事業の公式HPでは、窓の性能に対して「P(SS)」「S」「A」「B」と記載されていますが、相当調べていなければ何の事が分かりませんね。
ですので、この記事では、本事業を使おうとすると、よく出てくる「Low-eガラス」と「アルゴンガス入り複層ガラス」について、簡単にご説明します。
Low-e(ロー・イー)
Low-eの〝Low〟は「低い」、〝e〟は、「Emissivity(放射率)」のことを指すそうです。つまり、Low-eガラスとは「放射率の低いガラス」となります。特殊金属をガラス内に入れることで、熱を伝えにくくしています。
アルゴン入り複層ガラス
アルゴンガスとは空気よりも比重の重いガスのことで、これが「対流を軽減」し、熱を伝えにくくしています。
アルゴンガスは産業用や食品保存用などさまざまな分野で利用されているものだそうです。
真空ガラスやトリプルガラスといった他にも種類はありますが、生活環境により必要性はそれぞれですので、ここではLow-eやアルゴンガスをつけると「性能が上がる=断熱性が上がる」と、ご理解いただければ良いと思います。
必要があれば、現地調査の際に業者に確認してみてください。
まとめ
先進的窓リノベ事業の補助金を活用して、窓リフォームを考えている方がお読みになったと思いますが、いかがでしたでしょうか?この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。「補助金額」はご依頼内容によって変わりますので、詳細情報を知りたい方は専門業者に聞くのが良いでしょう。
今回の補助事業は1,000億という大型予算をつけてられていますが、いつ予算上限に達するかは誰もわかりません。せっかく使えるものは使っておくにこしたことがないので、ご検討中の方はぜひ行動に移してみてください。
本セミナーでは、先進的窓リノベだけでなく、こどもエコすまい支援事業の話もありましたが、今回は内容を絞らせていただきました。またの機会に記事にしたいと思います。
今回も読んでいただき、ありがとうございました。
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